茨城県農業参入等支援センター

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農事組合法人 やなぎの郷

農事組合法人 やなぎの郷

つくばみらい市
2019年6月法人化
主品目:米・小麦
経営面積:約35ha

 

地域の農業を維持し、地域の農家の受け皿へ

主食用米(コシヒカリ)や飼料米、小麦などを主に生産する、つくばみらい市の弥柳(いよやなぎ)地区。全国各地の地方の例に漏れず、耕作者の高齢化や後継者不足が悩みの種でした。その現状を打破しようと、農事組合法人の設立を進めたのがやなぎの郷です。
「皆、個人の担い手ばかりなので、今は健在だけれども倒れたらそこで終わり。後継者不足、農機具の更新、設備の負担など、先行きに悩みは尽きません。法人化をすれば様々な支援制度も活用できますし、相互扶助をしながら地域の農業を維持できる。まだ我々の余力があるうちに法人化することで、同じ悩みを抱える農家の受け皿を作ろうと思った訳です」と代表理事の直井良一さん。
平成18年に組織化した集落営農組合を母体に、50〜70代の農家15名が平成30年10月から法人化に向けて動き出し、令和元年6月に法人を設立しました。

専門家による運営等のアドバイスも

集落営農組合の時代に重点指導農業者の決定を受け、茨城県農業参入等支援センターに様々な相談をしていたやなぎの郷。その流れで法人化の際は、茨城県農業参入等支援センター事業による専門家派遣の制度を活用しました。
まず中小企業診断士には財務診断で問題点や課題の分析や経営指標の作成、税理士は税務申告、司法書士には定款をはじめとする書類作成の支援を依頼。経験豊富な専門家の説明で法人化のメリット、デメリットを総合的に把握でき、肝心な設立後の運営等のアドバイスも受けることもできました。
理事の榎田実さんは「就農者は一人ひとりが経営者であり、農法や作業工程等も千差万別。地域に農事組合法人が複数あり、それらを参考にしながら、専門家と共に方針づくりにじっくり時間をかけて進められました」と笑顔で語ります。

法人化の強みを活かした施設整備が目標

初年度は毎月の会議を重ね、年間計画の制定に奔走し、「今までどんぶり勘定で適当に資材を購入していた部分も、数字で色々見えると客観的に判断できますし、情報共有によって『小さな技術部会』ができつつあります」と理事の直井和弘さん。スケールメリットを活かした資材の経費削減など法人化の強みが生まれつつあります。
今後は出資金を増やし、それを元に運用で農機の購入や積立金によって設備投資をして、大型の農業機械、育苗施設の整備を予定。法人化に伴い借りた畑で、周年栽培が可能なねぎなど高収入の作物を模索中です。近隣の農家から田畑の提供する声が多数届いていることから、当面の目標は現状の経営面積35haから50haにすること。そして支援制度を活用し、ミニカントリーエレベーター施設の建設を目指しています。
「もし子どもらが農業をやりたいと戻ってきても、誰もが就農しやすい環境を整えておきたいです」と監事の飯泉久男さん。地域の農業は地域で守る。数十年後も安心して続けられる農業を展開しています。

代表理事 直井良一さん

弥柳地区の田畑

榎田実さん

直井和弘さん、飯泉久男さん

やなぎの郷を支援するつくば地域農業改良普及センターの荒井専門員