茨城県農業参入等支援センター

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倉持ファーム株式会社

倉持ファーム株式会社

代表取締役社長 倉持 昌司さん

2023/10/30 掲載

倉持ファーム株式会社

地域:下妻市 
支援内容:法人化
主品目:水稲、小麦
経営面積:105ha

 

大学で学んだ農業技術と人脈を活かした大規模普通作経営

下妻市の倉持ファーム株式会社は市内最大級の規模で米と小麦を生産している農業法人で、その作付け面積は年々拡大しています。
社長の倉持昌司さんは代々続く農家に生まれた5代目で、幼少期から祖父や父が作業する様子を間近で見て育ったそうです。大学の農学部に進学後、知識や技術を身に付け、卒業して間もなく、父のもとで農業に従事し始めました。
現在は昌司さんが会社の代表として農作業と経営の全般を担っており、先代である父の治さん、経理も担当する母の千恵子さん、大学時代に農学部で出会った妻の淑子さんと共に、家族4人で広大な農地を耕作しています。大学時代の仲間とは今でも繋がりがあり、最新の技術などについて情報交換しているそうです。
倉持さんの稲作の特徴としては、疎植(そしょく)栽培が挙げられます。疎植栽培とは稲を植える間隔を標準的なものより広くする栽培方法のことです。これにより面積当たりの株数が減り生産コストや作業負担の軽減に繋がるうえ、稲がのびのびと大きく育つようになり、1株から採れる収量が増加するとのことです。さらに風通しもよくなるため、病気のリスクも低下します。
このように倉持さんは大学で学んだ農業技術とその大規模な農地を活かして農業経営に取り組み、農業に対する真摯な姿勢は、地域の方々からの信頼に繋がっていきました。

さらなる規模の拡大へ向けて、法人の設立へ

その信頼と実績から次第に農地を託されるようになった倉持さんですが、規模を拡大していく中で両親の高齢化もあり、人手不足を感じつつありました。そこで従業員の雇用を見据えた法人化を目指して、茨城県農業参入等支援センターの事業を利用することに決めました。
中小企業診断士による経営診断では、これまで第三者の視点から経営を見直す機会がなかったため新鮮で貴重な体験ができたとのこと。経営計画の作成に関するレクチャーでは法人経営の知識を一から学びました。
社会保険労務士からは従業員を雇用するうえで必要な手続きを学び、指導をもとに現在も就業規則の作成を進めています。労働環境を整備するにあたり、雇用される側の視点に立つとどのような職場が魅力的に感じるかなど勉強になる話ばかりだったとのことです。
そして、司法書士からは法人設立に係る手続きについてレクチャーを受け、令和4年7月に倉持ファーム株式会社として法人化することができました。

全員が成長できる職場づくりのために

法人化をしたことにより倉持さんは経営主としての自覚が増し、働きやすい職場環境整備のためには従業員に対してどんなことができるかを日頃から考えるようになったそうです。現在、倉持さんが目標としているのは、それぞれが経験を積み成長し続けることができるような環境づくりで、やがては経営者の右腕となる従業員を育成し、経営が回るような組織にしたいとのこと。
さらなる規模の拡大を予定している倉持ファーム株式会社は、これからも地域から信頼される農業経営体としての成長が期待されます。

株式会社綿引農園02

妻の淑子さんと共に挑む農業経営

 

倉持ファーム株式会社

特徴である水稲の疎植栽培

 

倉持ファーム株式会社

働きやすい環境づくりを目指す倉持社長