茨城県農業参入等支援センター

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菅谷農園

菅谷農園

代表 菅谷 俊之輔 さん

2024/1/5 掲載

菅谷農園

地域:鉾田市
支援内容:経営改善、労務管理
主品目:トマト、ミニトマト
経営面積:27a

熱意あふれるこだわりのトマトづくり

全国トップレベルの野菜の産出額を誇る鉾田市。菅谷農園の代表である菅谷俊之輔さんは、この地でハウスでのトマト生産を営んでいます。
実家が農家で幼い時から農業に馴染みがあり、自分もいつかは農業をやりたいと志していた菅谷さんは、農業大学校を卒業後の平成29年に就農しました。生産品目にトマトを選んだ理由は、農業大学校在学中に株式会社伊藤農園.F(代表:伊藤健氏)へ研修に行ったことが大きく影響したとのことです。同じ鉾田市のトマト農家の先輩である株式会社伊藤農園.Fでの研修は、栽培技術の勉強になっただけでなく、熱意をもってトマト生産に取り組む伊藤さんの姿に「自分もこんな風にやってみたい」と強く感じるほど、菅谷さんにとって印象的なものだったとのことです。
就農後、確かな栽培技術と常に「より良いものを」という熱意をもって生産に取り組んできた菅谷さん。茨城県特別栽培農産物認証※を取得しているなど、こだわりを持って作られた菅谷農園のトマトは、品質が高く、スーパーマーケットや地元の直売所などで販売されています。

将来を見据え経営や労務環境の見直しへ

経営していく中で特に課題を抱えていたのは従業員の方の労務管理だったそうです。収穫などの作業をお願いするパート従業員の方を数名雇用していますが、自身も農作業に力を入れながら複数名の労務管理をすることはかなりの負担です。また、将来的に規模を拡大することや、それに伴い新たにフルタイムの従業員を雇用することも考えており、これらについて誰かに相談をしたいと思っていたところ、以前から交流のあった農業改良普及センターの職員から茨城県農業参入等支援センターの専門家派遣事業の紹介を受けたそうです。
専門家派遣においては、まず、今後の経営規模拡大を考えるにあたり、中小企業診断士と自身の経営を見直すSWOT分析に取り組みました。農林事務所や普及センターの職員と意見を出し合いながら菅谷農園の強みと弱みを確認し、経営を取り巻く環境において追い風と向かい風がそれぞれ何にあたるかを洗い出しました。そして、分析で確認できた自身の経営におけるポイントを踏まえて5か年の事業計画書を作成し、今後目指していく経営の姿を明確なものにしました。
社会保険労務士からは、勤務シフトや休憩時間の考え方をはじめとした適切な労務管理手法についてレクチャーを受けました。また、さらなる従業員の雇用にあたって、雇用契約書や求人票に具体的にどんな内容を記載すべきかのアドバイスも受け、現在もこれを基にどのように従業員を募集し雇用するかを検討しているとのことです。
さらに、茨城県よろず支援拠点のコーディネーターからはブランド力向上に向けた情報発信について、税理士からは財務諸表の見方やインボイス制度についてのレクチャーを受け、経営主として必要な様々な知識を学びました。

常により良いものを目指して

令和5年8月に一連の支援を終えた菅谷さん。現在はSWOT分析で分かった自身の“強み”となる部分について伸ばしていくことが重要だと考えているとのこと。また今後は生産規模の拡大だけでなく、こだわりのトマトを販売する直売所の設置も視野に入れているそうです。「そのためにも常により良いものをという意識を持っています。“これが正解”というものはないですから。」と、語る菅谷さん。これからも試行錯誤を重ねながらより良いトマトづくりに挑み続けます。

※茨城県特別栽培農産物認証制度
化学肥料や化学合成農薬を削減するなど一定の条件を満たして生産された農産物を『特別栽培農産物』として茨城県が認証する制度です。詳細はこちら

1つの房に5つ同サイズの
実がつく事が理想だとのこと

鉾田地域農業改良普及センターの
永井主任と生育調査に取り組む

多種多様なミニトマトが現在は
約10種類作付けされている