茨城県農業参入等支援センター

イラスト

鶴田園芸

 

旧友部地区で小菊栽培の礎を築いた鶴田園芸

茨城県は全国トップクラスの小菊の産地であり、笠間市は県の銘柄産地に指定されています。鶴田輝夫さんは、旧友部地区で小菊栽培の礎を築いた鶴田園芸の三代目で、地域最大規模の小菊農家です。鶴田園芸では、電灯によって開花時期を調整し、狙った時期の出荷を可能にする電照栽培をいち早く導入し、地元産のもみ殻や鶏糞などを混ぜ込んだ自家製の完熟有機堆肥を使用しながら、年間約110〜120品種70万本の小菊を出荷しており、お盆やお彼岸の時期が出荷のピークとなる仏事用をメインに栽培しています。
その他に、花桃、万年青、大王松、南天など花木の栽培もしており、認定農業者、茨城県エコファーマー認定を取得し、地域の若手小菊農家の旗振り役として高品質で安定した生産技術を追求しています。
また、令和2年度から休耕田を活用した桜の生産に取り組み、規模拡大を進めています。

規模拡大に伴う雇用の確保や労務環境の整備へ

鶴田さんは妻やベテランのパート職員数名と花き栽培に勤しんでいる中、3人の子宝に恵まれ、「ある程度、手が離れるまでの数年は我慢」と栽培規模を縮小し、仕事と子育ての両立を実践しました。そして約4年の規模縮小の期間を経て、作付面積を戻し、更に規模拡大を図ろうと再起しましたが、雇用の確保や育成の課題に直面しました。
また、社会保険など労務環境も未整備であったため、今後の規模拡大に向けた中長期の事業計画を策定する必要がありました。
そこで、笠間地域農業改良普及センターを通じて紹介された茨城県農業参入等支援センターの事業を活用して、中小企業診断士、社会保険労務士の派遣を受けました。

専門家のサポートで雇用問題の解決と同時に経営基盤も強化

専門家との具体的な相談内容として、中小企業診断士とは、経営戦略を考えるSWOT分析に取り組み、鶴田園芸の強みと弱みを明確化しました。また、作業手順効率化のアドバイスを受け、労働力、作業時間から具体的な数値目標を打ち立て、事業計画を策定しました。また、社会保険労務士からは、労務管理の基本を教わるとともに、規模拡大によって生じる怪我の危険性が高い機械作業を安心して従業員に受け持ってもらうため、従業員が加入すべき保険やその手続き方法などを学び、労務環境の改善につなげました。さらに、作業内容や就業条件を具体的に記載するなど効果的な求人票の書き方を学んだことによって、ハローワークで無事に新たな雇用を確保することができ、同時に経営基盤の強化や労務環境も整えられました。
このような専門家派遣によるサポートを受けた結果、「今まで税理士としか専門家のやり取りがなく、どれも初めてのことばかりで勉強になりました。祖父、親から当たり前に継承した農家でしたが、企業的に経営を考えるきっかけになりましたね。まだ漠然としていますが、法人化もメリットがあれば検討していきたいです。」と農業経営改善や今後の発展についてより深く考えるようになりました。
鶴田さんは、他の様々な農作物の新技術にもアンテナを張り、常々革新的な栽培に取り組んだり、 派遣後も社会保険労務士のYouTubeをチェックして、経営改善にも更に力を入れながら、地域の重要な小菊農業を盛り上げています。

鶴田園芸

地域:笠間市
支援内容:経営改善、労務管理(2020年〜)
主品目:花き栽培
経営面積:310a

鶴田園芸の三代目・鶴田輝夫代表

鶴田園芸の三代目・鶴田輝夫代表

地域でいち早く導入した「電照栽培」を行う大型ハウス

小菊の他、SPギクやディスバッドマムを
生産する大型ハウス

菊の収穫の様子。収穫や出荷調整は主にパート職員が担当

菊の収穫の様子。収穫や出荷調整は
主にパート職員が担当

自家製の有機堆肥を使用し健康な土壌づくりから取り組む

自家製の有機堆肥を使用し
健康な土壌づくりから取り組む