茨城県農業参入等支援センター

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株式会社フクダ

株式会社フクダ

代表取締役社長 福田 勝也さん

2023/10/17 掲載

株式会社フクダ

ひたちなか市
1989年設立
主品目:
かんしょ(干し芋加工用も含む)
経営面積:5ha

地域の課題解決に向け、農業分野に参入

ひたちなか市に本社を置く株式会社フクダは、1972年創業以来、女性服の企画・製造・販売をすべて自社で行い、関東を中心とした大型商業施設24店舗にテナントを出展する等、積極的な事業展開を図っているアパレル企業です。
2019年に、かんしょ(さつまいも)栽培で農業参入をし、2022年10月より干し芋ブランド「moymo(モイモ)」を立ち上げ、同年12月から本格的な販売を始めました。この商品は、干し芋を身近に感じてほしいという思いから、パッケージデザインや販売方法を工夫し、どの世代にも親しみやすい商品となっています。
株式会社フクダが農業参入に踏み切ったのは、ひたちなか市役所に新型コロナウイルス感染症予防用の防護服を寄付した際、市の職員から「農業の担い手が減少しており、地元の産業が衰退してしまうのではないか」とお話しを聞いたことがきっかけでした。
また、コロナ禍による経済情勢の悪化も重なり、地域課題を解決できるような新事業を行いたいという気持ちが芽生え、農業分野への参入に至りました。

農地確保のために、茨城県農業参入等支援センターを活用

「最初は農業参入について何もわからなかった」と福田社長は話します。そうした中、近隣の農家や金融機関から「茨城県農業参入等支援センター」を紹介され、相談に行きました。
最初は、会社独自でひたちなか市の空き農地を探していましたが、なかなか話が進まず、農地の確保は難航しました。そこで、茨城県農業参入等支援センターから、農地の拡張が見込めそうな那珂市の農地を案内され、無事、農地を見つけて営農を開始することが出来ました。福田社長は「茨城県農業参入等支援センターには農地の紹介や農業委員会への顔合わせ等様々なサポートをしていただき、大変頼りになった」と話します。その後も、近隣で生産者が撤退した農地を引き継ぎ、規模を拡大することが出来ました。
また、参入後は、農業改良普及センターから、かんしょの栽培試験や加工品の開発等、技術的な支援に加え、農業後継者クラブへの加入の案内をいただいたとのことです。
このように活発に営農を続けたことで「近隣住民からは“うちの畑をいつも綺麗にしてくれてありがとう”と感謝の言葉をいただいている」と、ほ場を管理する郡司氏は語ります。

世界からも愛される「干し芋」を目指して

「干し芋が様々な世代に受け入れられるよう、これからも干し芋の認知度アップに努めたい」と福田社長は語ります。更に今後は、国内だけにとどまらず、日本を代表する食べ物として干し芋が広まるよう、海外進出も考えているとのことです。
また、「地域と調和しつつ、農地の更なる拡大も目指している」と福田社長は話します。地域産業の継続と飛躍を目指す株式会社フクダに、今、大きな期待が寄せられています。

株式会社フクダ

ほ場を管理する 郡司 市雄さん

株式会社フクダ

那珂市瓜連地区にあるほ場

オリジナル干し芋ブランド「moymo」(モイモ)