株式会社日本農業

ほ場を管理する日本農業スタッフ
株式会社日本農業
城里町(本社:東京都) 2016年設立
主品目:梨、桃
経営面積:0.5ha
国の研究機関と連携して日本初の樹形により梨・桃の栽培に取り組む
「株式会社日本農業」(以下、日本農業)は、東京都に本社を置き、リンゴなどの果樹の輸出をメイン事業とする農業ベンチャーです。日本農業では、近年の国内外における梨・桃のニーズの高まりを見据え、関東近郊で、輸出を主とする梨・桃の栽培を計画していました。参入する農地を探索する中で、茨城県農業参入等支援センター(以下、支援センター)のホームページを見つけられ、問い合わせをいただきました。
日本農業はこれまでにも、革新的な技術を積極的に採用し、先進的な取組を行っている機関に技術指導を受けて農業に参入しています。今回の参入にあたっては、国の研究機関と協力し、初期収量が高く、早期成園化が可能な日本初の樹形で梨・桃の栽培に取り組み、輸出を主体とした新たな産地形成を図ることを目指しています。そのような日本農業からの相談を受け、支援センターでは、関係機関と連携して円滑な企業参入に向けた支援を実施した結果、令和6年(2024年)より、城里町のほ場にて営農が開始されました。
町と県が連携した手厚い支援により茨城県への参入を決定
支援センターでは、農地の紹介のほか、城里町と連携し、生産者や茨城県梨組合連合会との顔合わせの場などに同席し、地元の合意形成が図られるよう支援を行いました。また、笠間地域農業改良普及センターや先進農家を紹介し、視察や栽培技術の習熟を支援しました。当農場の責任者である日本農業の岩瀬氏は、参入を決めた要因について、「町と県が連携して、手厚く支援いただいたことが茨城県への参入を決める一因となりました。特に城里町は人、農地、環境等あらゆる要素に可能性を秘めた土地だと感じています」と話します。
技術を共有し、新たな産地形成を目指す
現在の栽培面積は梨・桃合わせて0.5haですが、将来的には一大産地を形成するため、自社のみならず、他の企業に対しても農業参入や果樹栽培への参入を呼びかけ、技術的な支援をし、規模拡大を図るとのことです。また、日本農業と城里町は、令和6年2月14日に「農業発展と地域の活性化に関する連携協定」を締結し、今後、地域農業の担い手としてだけではなく、農業人材の受け皿としても活躍されることが期待されています。城里町では、今回栽培を開始した農地の他にも、農地の確保に向けて、地域住民との協議の場を設けるなどの支援を継続する予定です。
岩瀬氏は「作物を販売するだけでなく、栽培ノウハウを新規就農者や新規参入法人に継承、共有して仲間を増やし、城里町を中心とした新たな産地の形成に取り組みたいです」と意欲的であり、新たな地域農業の担い手として、地域を巻き込んだ日本農業の活躍に期待が寄せられています。

城里町を中心に、将来的に一大産地となるよう規模拡大したい意向

初期収量が高く早期成園化が可能な日本初の樹形で、梨・桃の栽培に取り組む

定植した梨の状況を確認する様子