株式会社オプティム・ファーム

ほ場を管理するスタッフ
株式会社オプティム・ファーム
本社:東京都
参入地:茨城県高萩市、古河市、境町
※参入当初(2023年)は高萩市のみ参入。
2023年設立
主品目:水稲
経営面積:19ha(高萩市・古河市・境町の累計)
DX技術で農業の現場を支えるオプティム・ファームの取り組み
「株式会社オプティム・ファーム」(以下、オプティム・ファーム)は、東京都に本社を置き、北関東4地域においてデジタル技術などを用いたスマート農業で水稲栽培のDX(※)に挑む企業です。オプティム・ファームは、親会社である株式会社オプティムが開発したドローンを用いた栽培技術等の実証や、開発した技術により地域の農業を支えていくことを目的に設立されました。
現在、オプティム・ファームは、ドローンによる薬剤散布をはじめ、自動操舵機能などの先進技術が搭載された農業機械等を用いて水稲栽培を実施しています。またスマート農業機械を活用した作業受託も併せて行っています。
(※)DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
デジタル技術を活用して既存のビジネスモデルや業務プロセスを改革し、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすこと。
未経験からの挑戦、高萩の地で一歩ずつ――地域の支援を受け、学び続けた農業参入
2022年に初めて茨城県農業参入等支援センター(以下、支援センター)と面談を行い、2023年に高萩市赤浜地区へ参入しました。初期面談後、支援センターより迅速に複数個所の農地の紹介があり、その中から現在のほ場を選び参入を決定しました。オプティム・ファームの星野執行役員は農業参入について、「農地の照会の他にも、茨城県からは、地元農家の紹介や栽培技術についてアドバイスをうけるなど、参入後も手厚い支援がありました。完全に未経験で参入したので最初は何もわからず、機械の乗り方や栽培方法について地元の方々に話を聞いたり、水稲栽培関連の動画を見たり、積極的に勉強しました。栽培に関して地元の農家の方々や農協、県北農林事務所経営・普及部門(常陸太田地域農業改良普及センター)の方々には大変お世話になりました。紹介していただいた高萩市の農地は熟練の農家さんでも栽培管理が難しいと言われている土地ですが、我々はこの3年間で得られた必要な情報をシステムに入力し、データを蓄積・分析をすることで、日々、進化を続けています」と話します。
伝統と新技術をつなぎ、若手を育成――地域に根ざすオプティム・ファームの挑戦
一見、スマート農業は難しそうな印象がありますが、星野執行役員は、「スマート農業機械を使うことで、我々のような初心者でも簡単に、今まで農家さんが何十年もかけて修得した技術を駆使することができるようになります。また高齢化や農業人口の減少が進むなか、農作業のハードルを下げることで若い世代の新規参入を促し、地域の農業を支えていきたいです。」と語ります。
現在、オプティム・ファームでは、地元の高校でスマート農業の授業を行う等、農業の人材育成にも力を入れており、2025年は地元高校の卒業生5人を採用しました。平均年齢25歳の“若いチカラ”と“新しい技術”を活用して農業の持続化や若手人材の雇用創出に取り組んでいます。
また将来的には、受託事業を増やし、ベテラン農家の経験・知識とスマート農業の知恵を合わせて地元農業の発展に寄与していきたいとのことです。
伝統的な農業と新たな技術が融合した農業スタイルの確立に向け、いまオプティム・ファームが注目されています。

農作業等に使用するドローン

畦畔からのリモコン操作により、播種や農薬散布作業を省力化(※)
(※)ドローンによる播種や農薬散布には専門的な資格や承認が必要です。

高萩市赤浜地区のほ場
支援センターの紹介で約9haの農地を借り入れ