有限会社大地
2019/3/28掲載
有限会社大地
常総市:1994年10月設立
主品目:トマト・イチゴ・ミニトマト
経営面積:計2.6ha
50年来の伝統とこだわり
有限会社大地は、トマトとイチゴ、ミニトマトの生産から加工、販売まで自社で一貫して行う農業法人。先代から受け継いだ50年来の技術を活かし、大玉トマトの「ごほうび」と5種類のミニトマトを自社農場で栽培しています。養液土耕栽培を取り入れ、糖度の高さを保つために温度や湿度、水分量管理を徹底。肉質よくコクがある高糖度のトマト生産がこだわりです。
2004年から栽培を始めたイチゴは高設栽培で省力化に注力。安定収量を目指し日々研究を重ねています。2009年からイチゴ狩りを主体とした観光農園も始め、年間3万人ほどが来園します。2022年からは圏央道常総I.C.南側に「グランベリー大地」として、カフェを併設した空中いちご園を移転・オープンしました。
規格外品からブランド価値の確立
トマト栽培を行う中で、出荷できない「規格外品」の活用と販売時期の限られるトマトの不安定な収入の安定化、消費期限が短いトマトのロスが課題でした。「自分で作ったものは最後まで自分で売りたい」という思いと問題解決に向け直売所の運営のほか、トマトジュースの加工を開始。試行錯誤し、納得のいくトマトジュースへの加工に成功したものの、流通・販売の知識もなく結果に結びつかず苦戦しました。ある時参加した商談会に来ていた県の担当者から「茨城6次産業化プランナー」の紹介を受け、依頼。「パッケージデザイン」「商品のストーリー」「価格」「計算の仕方」「流通先」などの具体的な提案やアドバイスを受け、大玉トマト「ごほうび」を使った無塩・無添加のトマトジュース「大地からのご褒美」が誕生しました。その後、さらに開発したミニトマトジュース「サンパレット」は各種コンテストの応募サポートもあり「グッドデザイン賞」、茨城県農産加工品コンクール「県知事賞」、日本ギフト大賞「茨城賞」などを受賞。「規格外品」からブランド価値の確立に成功しました。
現在、自社生産の加工品は直売所・通販・百貨店・アンテナショップ・ギフトなど幅広い経路で展開しています。
6次産業化で生まれた目には見えない価値
これまで、生のままのトマトでは収穫から5日ほどしか販売できませんでした。
しかし、6次産業として「大地からのご褒美」や5種類のミニトマトの味が楽しめる鮮やかな「サンパレット」、キッチンカーでのイチゴジェラート販売や「ドライイチゴ」といった加工品の販売、観光農園を展開。商品開発や販売に対しても日々研究や改善を続けています。 販売期間に余裕が生まれ、販売先も増加したことで、安定した収益が生み出せるようになりました。また、それに伴い、地域での雇用も増え、関係人口の増加も実感しています。
県の補助制度やプランナーなどの支援策もうまく活用しながら、商品のこだわりを伝え、まずは味を分かってもらうこと、楽しんでもらうことを大事にしています。一つの商品をきっかけに出会いも増え、6次産業化から目には見えない価値が生まれています。