茨城県農業参入等支援センター

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有限会社ナガタフーズ

 

取締役 永田修一さん

有限会社ナガタフーズ

笠間市 1992年4月設立
主品目:大根・さつまいも
経営面積:30ha

 

父はツマや冷凍おろしの大根加工品で成功

有限会社ナガタフーズが6次産業化を始めたのは1985年。当時、兼業農家だった代表取締役の永田良夫さんは勤め先の公設市場で青果の流通に携わり、加工品の市場価格が年中ほぼ一定という現状を知りました。経営の安定を図ろうと、干し芋の製造を開始。甘味が強く柔らかな品種で製造に踏み切ると、それが農産物直売所で評判に。そして専業農家への転身を図った際、会社の送別会で食べた大根のツマの味に衝撃を受けます。周辺に競合はなく、「きっと売れる」と確信。1989年にツマの加工をスタートしました。約3haの自身の畑から開始し、県内外の農家と契約して規模を拡大。1992年に法人化しました。大根のツマに向く大根は、固くてシャキシャキしている品種。その品質を保つため、適切な有機質の肥料を散布する施肥設計を管理する土壌検査の専門スタッフを雇い、果実硬度計や独自のチェック項目を設けています。大手食品会社や全国チェーンの飲食店で使用される冷凍おろしの製造も開始。今では約250haの畑で年間6000~7000トンの大根の作付けをし、シンガポールへの輸出も展開しています。

息子発案のスイーツ事業で更に業績UP

2006年は利益率の高い芋スイーツ事業を開始。こちらは大手食品会社の元営業マンで良夫さんの息子・修一さんのアイデアから誕生しました。サラリーマン時代、主に千葉県や茨城県のさつまいもの流通を担当した修一さん。その際、生産農家が持て余していた巨大なさつまいもに注目します。「値が付かなく、畑の肥料になっていた。それを活用する手立てはないか?と思い付いた」。実はスイーツが苦手で、作り手としても全くの素人。前職のつながりから菓子部門のバイヤーに企画段階で相談し、ニーズのある品物を絞り、サイズ、パッケージ、価格帯、トータルのコストを算出。そして反対する父を説得し、干し芋工場にミキサーやオーブン等の設備投資をしました。そして茨城県農産加工指導センターで加工販売のノウハウを学ぶと、半年後に「すいーとぽてと」「芋羊羹」が完成。販路は懸念材料でしたが、地元スーパーで試食販売を実施すると、売れ行きが好調に。すぐさまヒット商品となり、大手スーパーでの取扱が決定すると、次第に他社からも声がかかり、販路拡大を成功させたのです。

パートナー企業、市場関係者との連携が鍵

廃棄処分率が高い大根のツマの現状を変えようと、2009年には大根おろしを使ったドレッシング「大根百笑」を開発。修一さんが元職場に小ロットでのOEM委託製造を取り付けたことで実現しました。販売ルートを限定したプレミア感満載の戦略を打ち立て、年間12~15種類、5万本を製造。SNSや口コミで徐々に人気が高まっています。2011年、補助金は申請せず、六次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定を取得。笠間市の特産品の栗を使った商品開発に乗り出し、2013年はJA常陸のマロンペーストを使用した「すいーとまろん」を新発売。スイーツ事業が追い風となり、売上高を倍近くの約8億円に躍進しました。修一さんが考える6次産業化の鍵は大きく2つ。「パートナー企業を見つけること。そしてもうひとつは、市場関係者の客観的な意見を取り入れ、売りたいものではなく、求められるものを作ること」。異業種での経験、コネクションを存分に活かし、オンリーワンの商品を生み出し続けています。

毎年数種類の新品種が発売される大根。毎年30ha程の試験圃場で植えて、翌年に生産する品種を取捨選択している

大根のツマは取引先の要望に合わせて、長さや太さを調節。フレキシブルな対応で信頼を獲得している

茨城県産のさつまいものみを使用した「すいーとぽてと」。手頃な価格帯、高級感あふれるパッケージで茨城のお土産として人気

農家志望で脱サラしたが「3日で飽きてしまった」と修一さん。現在も新商品の開発に奮闘中

「大根百笑」はネット販売をせず、茨城県内の道の駅、空港、JA直売所等のみで購入できる

サラダだけでなく、肉や魚とも相性抜群の「大根百笑」は1本700~1,000円で販売